大学入試改革

2014年8月23日の毎日新聞によると、前日の22日に、大学入試改革を議論している 文部科学省の諮問機関「中央教育審議会」(中教審)の高大接続特別部会が開かれ、高校生の基礎学力を把握するために新設する、「達成度テスト・基礎レベル(仮称)」を2019年度から実施する案が提出されたそうです。このテストは、高校2年生から受験できることが想定されており、現在の小学6年生からが対象になります。

基礎レベルテストは教科型のテストで、複数回の受験が可能であり、推薦入試や、AO(アドミッション・オフィス)入試に活用するものとされています。

また、大学入試センター試験に代わるものとして導入が検討されている「達成度テスト・発展レベル(仮称)」は、2021年度入学者からの実施が予定されています。発展レベルテストは教科の枠にとらわれない「合科目型」、「総合型」で、知識の活用力を重視する内容となるそうです。

このようなテストの新設にともない、各大学の個別入試については、現行のような教科型の試験を廃止し、面接や討論などを課すことによる「人物重視」の方向に転換する案が示されたということです。

同日の毎日新聞の、この記事のすぐとなりには、「大手予備校の代々木ゼミナール、25校舎整理、7拠点集約へ」という記事が載っていました。現行の入学試験制度のもとで、受験生に対して、長い間大きな役割をはたしてきたあの代ゼミが業務を大幅に縮小するというのです。

教育界は今、大きな転換点をむかえています。入試受験生には、状況から問題点を抽出し、考え、自分なりの答えを見出し、それを言葉で伝えることのできる能力が求められるようになってきています。このような能力は一朝一夕には身につきません。日ごろから、考えて話すという習慣をつけておくことが大事ではないかと思います。そのようにして身につけた力は、大学入試だけではなく、生きていくうえでも必ず役に立ちます。だからこそ、入試も改革が検討されているのではないでしょうか。