幸福学*1のススメ

最近、さまざまな学問分野で、人間の幸福についての研究がなされています。幸せな人が増えれば、より幸せな世の中になるのではないかというのが研究の動機です。人間の幸福を考える学問といえば、かつては哲学や宗教でしたが、現在では、心理学、社会学、医学の分野などでも、研究がすすめられています。各分野で、どういう条件の下で人間が幸福を感じるかということについて、日々研究がすすめられているのです。

このことは、人間が本来、何を目標にして生きていけばよいのかを端的にあらわしているように思えます。私たちはこれまで、安定した豊かな生活*2を求めてきました。ですが、それは結局、「幸せになりたい」という切なる願いを言いかえたものだったのではないでしょうか。

残念ながら、今、日本はさまざまな問題をかかえています。問題が山積みで、あらゆるところ、入試の問題のようなところでまで、問題解決能力が求められています。私たちは問題解決のために、考えなければならないのです。なぜならば、問題を放置することは、私たちを、「幸せになること」から遠ざけるからです。問題の解決は、究極的には、みんなが幸せになることにつながっています。

幸せになるために、考えなければなりません。幸せとは何か。幸せの形は一つではありません。人それぞれ、いろいろな形があるでしょう。

さまざまな問題、さまざまなテーマについて考え、話し合う中で、いろいろな解決方法、つまりはいろいろな形の幸せと出会えることでしょう。私は、それこそが私の幸せと考えております。

*1 幸福学
2014年1月3日より、NHK教育テレビで、「”幸福学”白熱教室」が始まった。番組によると、今、さまざまな学問分野で、「幸福」についての研究が科学的・統計的にすすめられているという。NHKは、その最新の成果である授業を、そのまま番組として放映している。番組の中では、国連の発表した各国の幸福度調査の結果についてもふれられている。日本の順位は43位と、先進国の中では際立って低かったということである。
*2 お金と幸福の関係
「”幸福学”白熱教室」の中で、ブリティッシュ・コロンビア大学のエリザベス・ダン博士は、お金と人間の幸福との関係について述べている。ある程度の額までは、収入が増えると幸福感も増すが、それを超えると、人間の幸福感は、あまり上がらなくなるそうである。